| 酪農の現状 | 2008-02-22 Fri |
それで、今日夜勤明けに飯食いながら新聞を開いたら何とまあタイミングが良いというか、3つも酪農に関する記事がありました。
そのうち1つは社説、もう一つは酪農を巡る農政、最後は一連の流れを受ける形の出来事。
一気に3つ紹介していきます。
北海道新聞社説・畜産酪農対策 飼料の自給率上げねば
政府・自民党は二○○八年度の畜産・酪農対策費を総額千八百七十一億円とすることを決めた。
輸入トウモロコシを主原料とする配合飼料の高騰で国内畜産・酪農家は厳しい経営を強いられている。新年度はこれら農家を支援する緊急対策の年と位置づけ、前年度比で六百億円を超える上積みだ。
道外の都府県生産者のために乳価助成制度を設けるほか、道内産が大半を占めるチーズなど加工原料乳の補給金単価を引き上げる、などの内容だ。
しかし、先に合意した乳業メーカーへの乳価引き上げに、今回の対策を加えても「飼料の値上がり分に届かない」との声がある。道内の酪農・畜産農家は、今後の経営になお不安を抱えたままであることは変わらない。
今年、道内は「チーズ増産元年」といわれる。大手乳業会社が道東各地に新増設したチーズ工場が今年春までに、すべて本格操業を始めるためだ。
○六年春に生産過剰で廃棄処分に至った生乳の供給先確保に明るい材料だ。しかし、生産費の約40%を占める飼料が上げ続け、生乳の生産維持が課題となっては農家に展望は開けない。
配合飼料の価格は一トン五万八千円程度と、一年半前に比べ35%も上昇した。トウモロコシの高騰は原油高によるバイオエタノール需要の拡大が背景にあるが、肉類消費が増大する中国など新興国の穀物需要増の影響もあって、先高観が根強い。
今回は緊急対策の位置づけだが、酪農・畜産経営の基盤強化に向けた中長期的な視点が必要だ。自給飼料の増産、生産コストの低減に向けて、農政のかじを大きく切るべきだ。
○六年度の飼料自給率はわずか25%だ。農水省はこれまでも国産飼料の増産に力を入れてきたが、輸入飼料依存が続き、自給飼料の作付面積はむしろ減少傾向が続いている。
道内でも地元で飼料を生産・調達する仕組みを広げねばならない。配合飼料の高騰で、飼料用のデントコーン栽培が道内で拡大しつつある。
共同で飼料を生産、配給する混合飼料センターの増設、農産加工残さの活用なども課題だ。
自給飼料より配合飼料の割合が高い道外では、休耕田を活用した飼料用米の栽培などを広げる必要がある。
酪農家は昨年一年間で道内の約二百戸を含め、全国で約千二百戸が廃業したとみられる。二○○一年以降、3−4%だった全国の廃業率が5%台に乗り、増加傾向を示した。
飼料高による酪農の離農に歯止めをかけるべき局面だ。廃業しなくとも飼養頭数の減少が予想される。
特に、道内の酪農家は規模拡大を通じて生産性の向上に取り組んできた。その努力に報いるためにも、将来が見通せる施策が今後も望まれる。
この社説の中にある『畜産・酪農対策費』についての記事はこちらです。
畜産対策1871億円 政府与党、大幅に上乗せ
政府・自民党は二十一日、飼料価格の高騰で経営難に陥っている畜産・酪農家を支援するため、二○○八年度の畜産対策費を前年度比で六百三十二億円上積みして総額千八百七十一億円とすることを決めた。前日まで千三百億円規模で調整していたが、畜産・酪農家の危機的状況から同党内に増額を求める声が強く、大幅に上乗せした。
同日午前の同党畜産・酪農対策小委員会で了承。同日の食料・農業・農村政策審議会(農林水産相の諮問機関)に諮問し、答申などを経て正式決定する。
対策では、都府県の生産者乳価を底上げするため、十分な価格転嫁ができるまでの緊急対策として、一キロ当たり二円十銭を助成する新たな制度を設けた。
また、バターや脱脂粉乳の原料となる加工原料乳の補給金単価を、一キロ当たり前年度比一円高い十一円五十五銭とする。
補給金を支払う対象となる加工原料乳の限度数量は三万トン減の百九十五万トンとした。
ただ、加工原料乳の需給が逼迫(ひっぱく)した場合には、限度数量とは別に最大十二万トン分について補給金単価と同額の助成を行う。
最後は本当に小さな記事だったんでネット上のソースはありませんので簡単に記事を転載します。
よつば乳業も牛乳値上げ
21日、道内牛乳販売トップシェアのよつば乳業は、牛乳や乳製品など市販45品目の4月1日小売価格値上げを発表いたしました。
上げ幅は牛乳で平均7%、チーズが平均12%で、市販品の全般に渡る値上げは1967年の同社設立以来初となります。
原料となる道内の生乳買取価格が飼料高騰の影響で来年度より引き上げられるためで、『コスト吸収努力も限界』(広報課)と同社はしている。
道内トップシェアの同社が値上げに踏み切ったことにより中小の乳業各社も追随すると見られる。
この3つのニュースだけでも酪農をとりまく状況が深刻な事態にあることがお分かりいただけると思います。
まずは、当面の酪農畜産支援策が上乗せされたのはほっとしました。しかし、これを何時までも続けていくわけにはいきません。
社説に書いてあることは前回かいた記事、そして昨日きょーちゃんの所で書いたコメントそのものです。
このバイオエタノール不況を完全に乗り越えることは出来なくても、せめてその影響を最小限に食い止める施策が求められています。
また、効率化や大規模化を後押しする為にも加工場も更なる増設と牛乳の消費拡大を期待いたします。
乳製品の自給率は60〜70%です。
昨年、生乳が廃棄処分されたり、生産量を自主的に抑制しなければいけなかったのは、牛乳消費の落ち込みと加工施設の不備でしたから、それらが解決されれば乳製品の自給率100%も夢ではありません。
乳製品の自給率が下がるとどうなるか?
乳製品の主な輸入先はオーストラリアです。ここまで言えばもう分かりますよね、オーストラリアは大干ばつ、非常に不安定な輸入先と言えるでしょう。今、バターの在庫不足が問題になっていますが、自給率が下がり、オーストラリアからの輸入も減少すれば今以上の在庫不足に陥るでしょう。
そして、やはり価格への転嫁はもはや避けようがありません。
すでに大手乳業各社は値上げに踏み切っています。
それでも、今の今まで踏ん張りに踏ん張っていたんです。そこをどうか理解していただきたいと思います。
そして、今後の安定供給を担保するためにも、地方の地域経済を守る為にも今までどおりに乳製品を購入していただきたく思います。
更に言えば、給食の牛乳も何とか存続してもらいたく思います。
前にも触れましたが牛乳消費のうち給食の占める割合は大きいのが実情です。
育ち盛りの子供にはカルシウム吸収率平均52%(吸収率は1番です)*でその他ビタミン類も豊富で非常に優れた食品である牛乳は必要であると思います。
*http://milk.asm.ne.jp/jimu/ca/52.htmによると小魚は平均37%、野菜は平均17%です。
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